バキューム成型
つづき(1)
☆「型」
☆材料
何と言っても重要なのはこの「型」です。
写真はS15のライトパーツの型です。
プラ板、パテ、木、金属パーツといろいろ使って作りました。 成型しやすいようにハイビーム部を分割してあります。
あまり複雑な形状では成型したとき材料が薄くなりすぎたり型に密着しなかったりするのでその辺も考えて作らないといけません。
空気が抜けるように型の凹んでいる所には1ミリの穴を開けてあります。
バキューム成型では型の出来がそのままコピーされてしまうのでキッチリ丁寧に作りましょう。
最近は0.5ミリの黒の塩ビ板を使ってます。
比較的加熱成型しやすく安価でホームセンターで買えるので入手しやすいです。
本当はポリカ板で作りたいところですが加熱する加減が難しくあまりお勧めしません。
プラ板が一番成型しやすいのですが強度的にイマイチなので強度のいらないパーツにはいいでしょう。
黒い塩ビ板にしたのはライトパーツとして使うのに光が透けにくく塗装しなくてもそのまま使える
ためです。
これで準備は整いました。
では始めましょう!
☆作業開始!
まず作業する場所ですが、塩ビ板を柔らかくなるほど加熱すると結構煙が出るので(多分有毒)、
換気のいい部屋か屋外でやりましょう。 作業中も出来るだけ煙を吸わないように!
それから火傷防止のために必ず軍手をして作業しましょう。
最初に塩ビ板を木枠の大きさにカットします。
そんなに正確でなくても構いませんが木枠より小さくならないようににしましょう。
次に固定するための穴を開けます。
塩ビ板を木枠で挟み込んで木枠に打ってあるビス
の跡をつけてそこに穴を開けると簡単です。
ドリルでも何でも開きますがボディリーマーだと簡単です。
ここも正確に開ける必要はありません。
穴を開けたら木枠で挟み込みます。
これを電熱器で加熱するわけです。
バキューム台に掃除機を繋ぎます。
すばやくかぶせられるように電熱器の脇に置きましょう。
台に型を並べます。
塩ビ板は中央が一番柔らかくなるので、形状が複雑な部分を中央にもってくるといいでしょう。
逆に取り付けステーなど薄くしたくない部分は外側にするといいですね。
では作業開始です。
慣れないうちはここで掃除機のスイッチを入れたほうがいいですね。慌てないように・・・
パワーは「強」です!
それから電熱器で塩ビ板に加熱していきます。
真ん中を加熱するのではなく回しながら4つの角を加熱していくようにしましょう。 一箇所だけ加熱するとそこだけ溶けて失敗します。
電熱器から8〜10センチくらいの距離で加熱するといいようです。
加熱すると写真のように一度表面が変形してそのあとまた平らになります。 そしたら反対側の角を加熱する・・と言う風にまんべんなく過熱します。
さらに加熱していくと煙が出てきます。そして
塩ビ板が柔らかくなってプルプル動くのがわかると思います。
この状態が塩ビ板全体に広がるようにしていきますが、十分柔らかくなると塩ビが下にタレいきます。
ココまで来たら素早く「ガバッ」て感じで型にかぶせます!すると一瞬で塩ビが型に張り付き
成型されます。
ここでちゃんと成型出来てるかチェックして
密着してない所があれば何か硬い物で押し付けるなどして修正します。
加熱が十分でないと型に密着せず失敗します。
また、加熱し過ぎても穴が開いたり薄くなりすぎたりとこれまた失敗します。
この「加熱」の具合で成功、失敗が決まります。